横浜市泉区にあるディサービス(寿楽)では、沢山の帰国者達が通っています。ここでは、帰国者達は言葉の障害もなく、楽しんで交流したり、中国のテレビ、ドラマを観賞して、子供時代に遊んでいたゲーム(麻雀、トランプなど)を遊んでいます。何の拘束と緊張もないので、お年寄り達の精神状態がますます良くなり、ここに来ている帰国者達は楽しい笑顔を見せてくれました。
2018-12-21はじめに
2017年のクリスマスの鐘が鳴り響き、横浜市の養父母謝恩会の協力で、第一回神奈川県華人及び帰国者養老介護親睦会が横浜市泉区で開催されました。この瞬間を祝う為に、こちらにいる華人や中国からの帰国者たちは、歌を歌ったり、踊ったり、楽しく過ごしています。歴史を振り返って見ると、それは特殊な年代でした。帰国者たちは特殊な歴史背景の下で、中国の純朴で善良な人々に育てられました。中国語は彼らの母語になり、中国の文化は彼らにとって、一生にも変えられない生活習慣です。(写真1)
1980年代初期、残留孤児たちが続々と日本に帰還し、現在の平均年齢は75歳以上です。帰還後、生活の上で彼らは依然として中国の伝統的な習慣を残していて、中国語を話す方に対しても、特別な親切さを感じています。彼らは日本語をうまく話せないため、周囲の日本の方とのコミュニケーションができず、生活習慣も異なり、地域活動への参加も積極的ではないので、日本の社会に溶け込むのはとても難しいことです。そして、基本的には子供達とは別に暮らしているために、彼ら今の生活はとても孤立しています。日本の福祉介護政策は優れていますが、言語障壁のため、彼らはそれらの政策を享受することができません。帰国者達の高齢化につれ、如何に安心して、老後の生活を幸せに過ごすことが彼らの心配事になりました。
横浜市泉区にあるディサービス(寿楽)では、沢山の帰国者達が通っています。ここでは、帰国者達は言葉の障害もなく、楽しんで交流したり、中国のテレビ、ドラマを観賞して、子供時代に遊んでいたゲーム(麻雀、トランプなど)を遊んでいます。何の拘束と緊張もないので、お年寄り達の精神状態がますます良くなり、ここに来ている帰国者達は楽しい笑顔を見せてくれました。(写真2)
一:通うディサービス
1 .意欲の向上、家族の負担を軽減する。
①お年寄りへの思いやり、お年寄りの変化に細心の注意を払い、慎重に観察することは、当施設がまず心に念入りにした事です。こちらに通っているある年寄りの方がとても絵画が好きで、その上とても上手です。しかし、一度入院から回復して帰って来たのですが、お年寄りの方は絵を全て一つの色に描き変えました。スタッフの方がそれを気づき、その方に事情を聞き、その方は「生きていると病気になるし、体も痛み、子供達に多く負担をかけてしまうため、絵に興味が持てなくなった」と思っていました。事情を知ってから、施設でこの問題について会議の中でお年寄りの状況を分析し、念入りにその方の変化への注意と配慮をして、話を聞いてあげたり相談を乗るなどをしてあげました。さらにお年寄りの好きそうなゲームを製作して、参加させたりしました。絶えない努力を経て、お年寄りの方はだんだん笑顔を取り戻し、「毎日こちらに来るのが楽しみです」と語ってくれました。
②また、あるお年寄りの方は退院してから、毎日家で寝たきりの生活を送っています。身体の痛みで寝るにも寝られず、自分でトイレに行けないので、家族の方も介護で大変疲労していました。当施設に通うようになってから、スタッフの方が毎日中国語で会話してあげたり、散歩に付き合ってあげたりして、お年寄りの方は気持ちが楽になりました。また、精神状態も食欲も日々良くなり、お顔に笑顔を見せるようになり、家族の方も負担を大きく軽減する事が出来ました。
2 .日本社会に溶け込む
①お年寄り達は中国で育ったので、日本の習慣や文化がについてわかりません。帰還後、付き合っているのはほとんど中国の方で、彼らは日本の社会環境に溶け込むのは非常に難しいのです。その為、当施設では仕事の中で、日本の習慣、文化の伝統と礼儀をみんなに紹介し、祝日により様々な活動を製作して、お年寄り達を一緒に参加させ、お年寄り達は自分も徐々に日本社会の中に溶け込んだと実感しています。それと同時に、中国の春節、中秋節、端午の節句という盛大なお祭りの日には、施設も中国の習慣に従い、お年寄り達に手作りの郷土料理を提供し、みなさんに「家の味」を実感出来るように日々努力しています。(写真3)
②ほとんどの帰国者達は団地に住んでいます。団地で地域活動を参加したい時には、当施設では通訳も提供しています。このような活動の中で、お年寄り達は団地での生活にも十分な理解をし、彼らの生活に対する積極性も向上させる事ができます。(写真4)
3.言葉の通じない悩みを解決する
①言語が通じないので、お年寄りは病院の診察から帰っても、通常は、薬の服用する方法が理解できません。当施設のスタッフはその都度に薬を服用する方法を翻訳することができるので、お年寄りを安心させることができます。
②お年寄りは家から通知書、料金支払い書類など、当施設に持って来てくれます。スタッフはそれらの書類の翻訳、解説を提供し、お年寄り達の心の頼りになり、安心させることができるます。
4.生活上で、無償に世話をする。
①ある日、あるお年寄りの方が帰宅時にうっかりして家の鍵をなくしてしまっいました。その方はとても焦っていて、家族の方にも連絡がつかない為、スタッフがお年寄りの家族が迎えに来るのを一緒に待ってあげました。その時、お年寄りの方は感動の涙を残しました。
②あるお年寄りは認知症で、一人生活していて、いつも薬を飲むのを忘れています。そこで、担当のスタッフの方は会議で、彼の薬は施設が管理し、施設にいる時は、スタッフが世話をして薬を飲んで、施設に来ない日には、訪問したスタッフが当施設で薬を受け取り、訪問先で世話をし、訪問終了後、薬を施設に持って帰って管理します。このように、薬の管理と服用は全面的に改善されました。
5.家にいるような気分
ある年の春節に、ディサービス(寿楽)に通ってるお年寄りの方が入院中にも関わらず、当施設へ新春のお祝いの連絡を下さった。「ここは自分の二番目の家のようで、ここでみんなと話したり、運動をしたり、お互いの世話をしあったりして、とても楽しく過ごしています。」と語っています。
二:在宅介護について
1.ご家族の要望に応じて、お好みの生活サービスを共に過ごします。
⑴服薬管理
あるご夫婦は、子供が全て地方で働いている為、子供達と離れて生活しています。女性の方が74歳で認知症があり、要介護4(日常生活ほぼ全般を介護なしで行うことが困難な状態。)、男性の方は90歳の要介護5(要介護4の状態よりさらに動作能力が低下し、意思の伝達も困難になり、介護無しには日常生活を送ることが不可能な状態。)。ご高齢の二人とも日本語を話すことができない上、子供達とも離れて生活している為、スタッフ達はお二方のこと細心の注意を払い、世話する必要があります。女性の方は認知症のため、身体の痛みがあると、薬の効用に関係なく、勝手に飲んでしまうことがよくあります。そのため、施設側が薬の管理をし、特殊な状況では、ご家族に連絡し、薬の効用と服用方法をご家族の方に伝えます。お年寄り達は電話の使用方法がわからないので、スタッフは緊急連絡先を目立つ場所に貼るなど、迅速な対応が出来るよう心かけています。
⑵飲食管理
お年寄り達は中国で育った為、すでに中国の食生活に慣れています。当施設は必要に応じて、特別に手配をしています。例えば、中国の麺類の料理が好きなお方に対して、施設側は中国の麺類料理が出来るスタッフを手配し、訪問いたします。
⑶生活習慣の改善
多くのお年寄りの方は日本での生活中で、依然として中国の習慣を残しています。例えば、エアコンに慣れず、いつもこっそりとエアコンを消してしまいます。特に夏季と冬季などのように、室内温度のコントロールは当施設が重視している問題です。対策として、お年寄り方に保健の知識を説明します。また、熱中症、食品中毒、インフルエンザの危害性などを解説して、お年寄り達の健康に対する認識を向上させます。同時に当施設では、毎月ごとの記録表を制定し、毎回訪問時には、当時の温度を記録、確認し、問題がある時は、直ちに施設の担当者に連絡をします。また、入浴を嫌うお年寄りには、地域担当者を通じて、入浴計画を制定し、身体の清潔を保ちます。
⑷生活上の困難を解決する
お年寄り達は日本語が理解できない為、担当スタッフは代わりに薬を受け取りに行きます。また、薬の服用方法と効用も説明し、服用する時の注意点を説明します。毎月の往診の医師或いはケアマネジャーが訪問時、当施設はスタッフを派遣し、通訳を担当いたします。帰国者達に日本での生活に安心感、満足感が得られるよう心がけています。
2.連携
仕事中では、地域ケアプラザ、医療機関、ケアマネジャーとの連携を重視し、利用者に対する必要な情報を共有することにより、サービスの品質UPにつながります。
3.健康や介護の知識講座を開催する
お年寄り達に健康意識を高め、介護に関する情報と知識を理解してもらうため、当施設は毎年、知識講座を開催しています。講座は中国で解説しているので、お年寄り方は理解しやすく、知識を受け入れやすくなります。専門の先生方の解説により、お年寄り方は自分達の健康状態について、理解が深まり、病気の予防と対策を学びます。(写真5)
終わりに
これらの帰国者のお年寄りたちは、前半生は中国で過ごし、余生は祖国日本に帰還できたが、祖国の言葉も文化も理解できない方達です。彼らは私たち社会からの関心と愛護が必要で、彼らの生活に必要な手助けを与えなければならないのです。上記のような仕事中では、私達が出来ることはまだまだたくさんあります。彼らは言語の壁があり、生活上、身体上の困難を克服し辛く、地域社会との交流も難しく、介護保険についてわからない為、福祉待遇も利用していません。これらの問題は社会の支持が必要としています。お年寄り達が幸せで安定して生活できて、仕事をしているご家族の心配や負担も軽減し、社会の安定と発展を促しています。
帰国者たちの高齢化に伴い、需要により、如何に良いサービスができるか、お年寄りに便利を提供し、安心、安全な晩年生活を送ることができるかは現在の最も主要な課題であり、同時に社会各界の支えと協力が必要です。私達のたゆまぬ努力をし、お年寄り達の明日はもっと健康で、元気に楽しい晩年生活を送ることができると信じています。